トップ > 【スタイル(Beer Style) 】 > Stout / Porter > 【KADOLABO #024 Dark Entries 3/伊勢角屋麦酒】
【醸造所(Brewery)】 > 🇯🇵伊勢角屋麦酒(三重) > 【KADOLABO #024 Dark Entries 3/伊勢角屋麦酒】
【スタイル(Beer Style) 】 > Others > 【KADOLABO #024 Dark Entries 3/伊勢角屋麦酒】
【国別(Country)】 > 🇯🇵日本 > 三重 > 【KADOLABO #024 Dark Entries 3/伊勢角屋麦酒】
【KADOLABO #024 Dark Entries 3/伊勢角屋麦酒】
Braggot (Melomel with raspberry and blackberry and Bourbon Barrel Aged Imperial Stout)/14%/750ml
緒言
KADOLABOでは、ビール以外の酒類とのクロスオーバーをテーマの1つにしている。各酒類は異なる歴史と醸造哲学を持ち、クロスオーバーを通じてビール醸造とは異なる視点を学ぶことができる。
多様な醸造形態を体験することで、アルコールにまつわる文化や発酵現象をより深く理解することを使命と考えている。
今回の「024 Dark Entries 3」はブラゴットである。
ブラゴットはビールとミード(蜂蜜酒)を融合させた醸造酒で、その起源は中世ヨーロッパのケルト文化にまで遡る。ブラゴットには、麦汁と蜂蜜を混和してから発酵させる方法や、発酵中の麦汁に蜂蜜を添加する方法など、さまざまな製法が存在している。
今回のブラゴットは、発酵の完了したミードとビールをブレンドして製造している。
ラズベリーとブラックベリーを使った甘口のメロメル(フルーツミード)と、バーボン樽で1年間熟成させたインペリアルスタウトをブレンドし、甘口でフルーティなミードにチョコレートやプラム、モラセス様のニュアンスを加え、ベリー入りのチョコレートケーキのような味わいに仕上げている。
このブラゴットの醸造の主眼は、ハイアルコールのスイートミードへの挑戦である。
夏にスタウトをリリースするという使命感からBourbon Barrel Aged Imperial Stoutとブレンドしたが、本来はラズベリーとブラックベリーを使ったスイートミードを作りたかった。(ブレンドにより官能的な面白味は増したと思う。)
5月にAntelopeとのコラボレーションで「019 Farmhouse Kumquat Mead」という麦芽不使用のミードを発売した。これが今回のきっかけとなっている。
このミードは野生酵母で発酵させるコンセプトがあり、酵母のポテンシャルを考慮してABV8〜9%と、ミードとしては控えめなアルコール度数かつドライな味わいを設計した。
その結果、野生酵母が麦汁以外のキャンバス上でどのようなパフォーマンスをするのかを観測でき、非常に興味深いものであった。
その一方で、これをきっかけにミードの醸造のシンプルさを知り、個人的に嗜好しているABV13〜14%レンジの果物や副原料をたっぷりと使用した濃厚なミードを作りたいという思いが抑えきれなくなり、間を空けずに非常に高比重かつ高い比率でラズベリーとブラックベリーを投与したミードを醸造するに至った。
このスタイルのミードを作るにあたって懸念すべきは酵母のマネジメントである。
非常に糖度が高く、浸透圧の高い環境で発酵を開始し、酵母のアルコール耐性の限界まで発酵させるため、酵母の健康に大きな負荷がかかる。酵母が狙ったところまで発酵を進め、かつストレス由来の不快なアロマやフレーバーを生成しないようにケアすることが最終製品の味のバランスを整えるために不可欠である。
そのため、発酵初期に酸素およびアミノ態窒素の補充を適宜行い、酵母の分裂増殖をサポートした。
発酵が進みアルコール度数が上がると、糖による浸透圧ストレスは和らぐ一方で、次はアルコールストレスが酵母を脅かす。
酵母のアルコールストレスのケアのため、日本酒の醸造における方法を横展開し、発酵終盤には徐々に温度を下げた。作用原理はまだ完全には理解できていないが、温度を下げることでアルコールが酵母の細胞内に浸透するスピードを抑えられるのではないかと推測している。
方法
蜂蜜を34プラートまで薄め、ラズベリーとブラックベリーと酵母(Lalvin 71B)を添加した。
発酵温度21度で約1ヵ月間かけて発酵させた。
糖度の減少が緩やかになってから徐々に温度を15度まで下げ、澱引きして、さらに1ヵ月熟成させた。
等量のバーボン樽で熟成したインペリアルスタウト(10ヵ月)と混和し、瓶詰した。
価格 : 6,200円(税込) |
ポイント : 62 |
|
|